命に別状はないけれど、絶対にかかりたくない病気No.1と言ったらなんでしょうか。
僕の答えは間違いなく「過敏性腸症候群」です。
僕はこの病気に羅漢したことで、以下の不幸に見舞われました。
- 高校中退
- 友達を失う
- ウツ病を発症
- 人格形成に深刻な影を落とす
この体験はまさしく「地獄」と呼ぶに相応しい苦しみでした。今回はその詳細を語りたいと思います。
なお、記事の内容からして不幸自慢のように感じる方もいるかもしれませんが、この記事の趣旨はそうではありません。
日本全国にいるであろう、同じ苦しみを味わっている人たちの心をほんの少しでも軽くできたら、あわよくば救えたらよいと思って書いています。
過敏性腸症候群とは何か
過敏性腸症候群ってそもそもなんだ? という人もいるでしょう。
この病気を簡潔に説明すると、主にお腹の調子が悪くなり便秘・下痢・おならがひどい状態になる症状のことです。
症状によって
- ガス型
- 下痢型
- 便秘型
など、いくつかの型に分かれます。
中でも一番やっかいと言われているのが「ガス型」であり、主な症状はお腹の中に異常なほどにガスが発生しておならを出さずにはいられなくなるというものです。
学生がこのガス型になると、まともな学生生活を送ることが極めて困難になります。
僕はこのガス型であり、この症状が原因で高校を中退しました。
なぜ過敏性腸症候群のガス型になると、学生生活を送ることが困難になるのか説明したいと思います。
高校生活で困ったこと
それでは過敏性腸症候群のガス型(以下、「ガス型」で統一します)である僕が、高校生活で困ったことを書いていきたいと思います。
授業中
一般的に授業中の教室は静まり返っています(騒がしい授業もあるでしょうが)。
そして、授業中の45分間は基本的に席を離れることができません。
この状況は、ガス型の人間にとって地獄となります。
お腹の中では絶えずガスが発生し、パンパンになっている状態です。おならがしたくてたまらなくなりますが、当然ながら授業中の教室でおならなんてしたら高校生活の「オワリ」を意味します。
そうすると、授業中ずっとお尻を引き締めておならが出るのに耐え続けることになります。
おならを我慢するだけだと思われるかもしれませんが、ガス型によって発生するガスの量は常軌を逸しています。
それに対しておならを我慢するには、尻の筋肉を全力で引き締める必要があります。これはいうならば、プロのボディビルダーの筋トレレベルの努力を要します。
一瞬たりとも気を抜くことはできません。
それはさながら侍同士の斬り合いのようなもの(冗談を言っているのではありません)。
一回でもおならが出れば、待っているのは「死」です。
この緊張感の中、毎日1コマ45分の授業を7時間目まで受けるストレスは精神崩壊を起こしかねないほどの苦しみです。
これだけでも十分な地獄ですが、さらに深い階層の地獄が存在します。
それがテストです。
テスト中
はっきり申し上げて、ガス型にとってテスト中の教室は「拷問部屋」です。これはまったく誇張した表現でもなく、むしろ生ぬるいかもしれません。
授業中も教室は静かですが、それでも先生の話し声や黒板にチョークで文字を書く音はあります。
それが、テスト中は「ほぼ無音」になるのです。
この状態で、上で書いたおならの恐怖とひたすら戦い続けることになります。
さらにこの戦いを困難にさせるのが「おならの逆流」です。
腸内で発生した大量のガスが出ようとするのを全力でせき止めていると、腸内をガスが逆流し、その際に「ぐゥうううッッ!」という音を発生させるのです。
この音も人によってはおならの音に聞こえかねません。えぐみのある低音で、音量が大きいです。
その音がなると、周りの生徒は「なにごと?」という顔で当たりを見回しますが、よもやこれほど複雑な事情で発生した音だとは思いもよらないでしょう。
追い打ちをかけるようですが、困りごとは重なります。
それは、腸がガスで圧迫されることによって起こる激痛です。
腸内で大量にガスが発生してお腹がパンパンになっている状態ですが、そのガスをおならとして体外に排出することができません。
つまりどんどん体内で膨れ上がるガスを、溜め続けることになるのです。
そうすると、腸の壁が圧迫され引きつるような「激痛」を引き起こすことになります。この痛みは洒落にならないもので、痛覚神経が引きちぎられるような感覚さえします。
しかしどれだけ腸が痛くても、おならは出せません。ひたすら歯を食いしばって耐えるのみです。
お分かりいただけましたでしょうか。
- おならが出るかもしれない恐怖
- おならの逆流で音が発生する恐怖
- ガスで腸内が圧迫される激痛
この3重苦の責めに対して「拷問部屋」という表現を用いたことが、決して誇張ではなかったことが理解いただけたかと思います。
5階建ての教室の窓からこの身を投げたらどれほど楽になれるかと、何度考えたか分かりません。
そして高校中退へ
ここまで書いてきた苦しみを受け続けた結果、高校1年生の途中で僕はストレスによる胃の痙攣と吐き気が収まらなくなりました。
高校には行けなくなり、中退となりました。
その後の僕がどうなったのか、簡潔に書きたいと思います。
詳細を書けば何万文字になろうかというエピソードがあるのですが、記事が長くなり過ぎるので別の機会に書こうと思います。
通信制高校へ転校
高校を中退後、僕は通信制の高校に転校しました。
通信制高校であれば通学はほとんど必要ないため、問題なく卒業することができました。
大学へ進学
通信制高校を卒業した僕は、一般入試で大学へ進学しました。
入学試験中もガス型の症状と闘うことになりました。しかし、通信制高校に転校してストレスが緩和されて若干症状が治まっていたことや、病院で処方された薬を服用したこと、さらに「一回だけの勝負」と思いなんとか乗り切りました。
大学の授業は多くが大部屋であったことや、教室の出入りが自由だったこともあり、ガス型の症状による困りごとはかなり軽減されました。
就職
大学を卒業後は一般企業に就職しました。
僕は現在28歳ですが、今でもこの企業で働いています。
社会人になってからも、長時間の研修や密室での業務などで度々ガス型の症状に悩まされてきました。
つまり、現在でもガス型の症状は治っていません。
今まで病状を抱えながらもなんとか乗り越えてきましたが、完治をさせないことには今後の人生は頭打ちになると最近思うようになりました。
現在僕は再び完治に向けて通院を始めました。
社会時になってから貯めてきた貯金を全てつぎ込む覚悟で臨みます。
その経過はブログの記事にしていきますので、同じ悩みを抱える方の助けになれたらうれしいです。
まずはこの記事からどうぞ。