「親のせいにするな」なぜならあなたが不幸になるから

  • 頭の固い親に将来の夢を邪魔され、目標を見失った。
  • ネガティブな親に自分の全てを否定され、自分も性格が暗くなって友達が一人もできなかった。

2chまとめサイトなんかを見ていると、こういった恨み節を綴っているページを時々発見します。そして、そういったページに必ず書かれている意見が「親のせいにするな、人のせいにするな」という言葉です。

「親のせいにするな」という言葉の成否については意見が分かれていて、「まともな親に育てられた幸せな人間の戯言」という意見もあれば、「親のせいにしてうだつが上がらない自分を正当化している」という批判もあります。

僕個人の意見としては、「親のせいにするな」という言葉の方にやや賛成しています。それは別に「親のせいにすることは甘え」だとか、そういう意味ではありません。現実としてロクでなしの親に人生を破壊された人は数多くいます。

それでも僕が「親のせいにするな」という意見に賛成するのは、それによってその人が不幸になるからです。今回は僕の経験も交えて、親のせいにすると自分が不幸になる理由について語りたいと思います。

親から将来の夢に対する暴言を浴びせられた

僕は一時期(というよりもついこの間まで)親を猛烈に恨んでいた時期があります。その理由は、親から自分の将来の夢をひどい言葉で罵倒され続けたからです。

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親から将来の夢を罵倒されることなんてよくあることじゃん、という言葉も聞こえてきそうです。確かにそういう経験をした人はたくさんいると思いますが、僕はそれに加えて「親が僕の兄の夢(音楽家になること)は大金をかけて応援した」という兄弟差別が重なって猛烈な怒りとなりました。

この怒りの炎は、僕が高校生のころから程度の差はあれど消えることなく僕の心の中でくすぶり続けていました。そして会社で何か辛いことがあったりしてストレスがかかると一気に怒りの炎が燃えあがり、会社からの帰り道を鬼の形相で歩いていたということがよくありました。

僕が夢を諦めて会社で辛い思いをして働いている今この瞬間も、兄は親の金で好きな音楽ばかりやっている。

怒りの炎が燃え上がる瞬間というのは本当にすさまじく、眉間にしわが寄るなんてものじゃなく、本当に心臓が焼き焦げるような感覚さえします。

この時期の僕に、もし誰かが「親のせいにするな」なんて言葉を投げかけてきたら、本気で拳をお見舞いしたかもしれません。

最近になってようやく、この怒りの炎が燃え上がることはほとんどなくなりました。断じて親を許した訳ではありません。ではどうやってこの境地に至ったのか。それは主に以下の考えに行き着いたからです。

  • 自分の不遇に金を払ってくれる人間はいないことに気付いたこと
  • 恨みの感情を持ち続けたことが原因で病気になった人がたくさんいることを知ったこと
  • 親を怨むことに生産性がないことに気付いたこと

自分の不遇に金を払ってくれる人間はいない

少し突き放した言い方をしますが、他人の不遇に対して金を払ってくれる人はいません。あなたがロクでなしの親に育てられて人生がめちゃくちゃにされたとします。ですがその恨みを心の中で持ち続けたり、誰かに話したりしても、本当の意味で助けてくれる人はいないのです。

優しい人なら共感して同情はしてくれるかもしれませんが、だからといって「大変だったね。だったらあなたが心の傷を癒して社会復帰できるまで、生活費と精神科の費用を全額負担してあげる」なんて言ってくれる人はいません。

カウンセラーに相談に行けば話しを聴いてくれてアドバイスをくれますが、それはあなたがお金を払うからであって、「人助け」ではなく「ただのビジネス」です。

結局のところ、ロクでなしの両親の元に生まれたとして、それはただ運が悪かっただけであり、それによって自分の人生に圧倒的ハンデを負わされたとしても自分でなんとかするしかないのです。

親に過去の恨みをぶつけても親は責任なんて取りませんし、ましてや他人が責任をとってくれることもありません。

恨みを持ち続けると病気になる

恨みの感情を持ち続けていると、病気になるリスクが高まります。それは精神的に病むという意味ではなく、実際に内臓関連の病気を引き起こすのです。

身体と精神は密接に関連しています。恨みの感情を持ち続けた人間が、交感神経の乱れなどにより身体のバランスが崩れて、高血糖やガンなどを引き起こした例は数多くあるようです。

恨みの感情は止めろと言われて止められるものではありません。ですが実際問題として、それは自分の身体を蝕んでいきます。

タイトルを忘れてしまったとある書籍に、こんな言葉が書いてありました。

誰かを恨み続けるということは、自分が毒薬を飲んで相手が死んでくれることを願うようなものだ。

親を恨むことには生産性がない

結局のところ、結論はここに行き着きます。親を恨んでも生産性がありません。

「生産性の問題じゃない!」という言葉、もっともです。恨みの感情は抑えがたき怒りの発露であり、それに対して生産性がどうのと語るのはナンセンスです。ですが、それでも親への恨みに生産性がないと言いたいです。

  • 親を恨むことでお金がもらえるなら、恨むと良いと思います。
  • 親を恨むことで親に問題が起こって復讐が果たされ、留飲が下がるなら恨むと良いと思います。
  • 親を恨むことで自分の人生の問題が全て解決し、幸せな人生が送れるのなら恨むと良いと思います。

ですが、現実にはそのどれもが起こることはありません。

起こるのは

  • 親を恨むことで自分が病気になる。
  • 親を恨むことで人格がねじ曲がり、人が離れていく。
  • 親を恨むことで不快な感情に支配されて、憂鬱な気分になる。

といった物事です。

それでも、恨みを抑えることは不可能だということは僕の経験上分かっています。僕が上で書いたようなクソ正論を吐く人間などごまんといますし、その正論が本物の恨みの感情の前では一切意味をなさないことも、分かっています。

だから僕は「親を恨むのを辞めろ」なんて言うつもりはありません。なぜならそれは不可能なことだからです。ただ言っておきたいのは

  • 親を恨んでも、親が反省してあなたに謝罪することはない。
  • 親を恨んでも、誰かがあなたを助けてくれることはない。
  • 親を恨んでも、あなたの問題が解決することはない。
  • あなたが自分で何とかするしかない。

という客観的事実だけです。

この事実に対してどう反応するかは、個々人の判断によります。

「例え待っているのが破滅だとしても、この恨みの感情だけは絶対に忘れたくない」という人がいたとしても、それはそれで一つの答えだと思います。詳しい事情を知らない他人には、その答えに対してして横やりを入れる資格はありません。

まとめ

成人していて、一人で生活できるだけの稼ぎがあれば、自分の人生を立て直すことは可能です。だから、親への恨みを持ち続けるエネルギーを、自分の人生の立て直しに使った方が建設的だと思います。

親の支配下にいれば、今後も悪影響を受け続けることは想像に難くないです。だから、本当にどうしようもない親であれば、さっさと縁を切って物理的な距離をとる必要があります。

繰り返しになりますが、恨みをぶつけても親は責任を取らないのだから、やっても無駄です。運が悪かったと割り切って、その時点から自分で人生を立て直していくしかないのです。もちろんその過程で、親から「老後の面倒を……」などというふざけたすり寄りがあれば、地球の裏側まで蹴り飛ばす勢いで突っぱねるのは断然アリです。

自分で人生を立て直すと決心した瞬間から助けてくれる人が現れる可能性があります。ですが、他人にあまり期待しない方が良いかもしれません。最後は自分で何とかしなければならないということに変わりはないので。