今日、日経新聞を読んでいたらこんな記事を発見しました。
返済滞るとエンジン停止 GMS、西京銀と車ローン
2018年2月12日、日経新聞朝刊より
記事の内容を簡単にまとめると、自動車の遠隔制御装置を作っている会社が銀行と組んで、自動車をローンで購入した人が返済を滞らせた場合、遠隔でエンジンを停止するサービスを開始したというものです。
これを読んで、これからの「ローン」はよりシステマチックでシビアなものになるかもしれないと思いました。
家賃の支払いが滞ると、家のドアが遠隔でロックされる⁉
あらゆるモノがインターネットにつながるIOT(Internet of Things)という言葉がありますが、このシステムってローン返済の督促にも応用できるなと思います。
例えばアパートの家賃の支払いが滞ると、これまでは封書で督促が来たり、大家さんが直接やってきて支払いをするよう求めらていました。しかし、これからはそんな七面倒臭いステップを踏まず、遠隔でドアをロックするということも技術的には可能です。
今までも家賃滞納を理由にカギを変えて「物理的に」大家がドアをロックした事例はありますが、僕が出している事例はよりシステマチックに振り込みがなかった場合はシステムが自動でドアをロックするということです。
とはいえ、たとえ家賃が滞納されていたとしてもドアをロックするのは違法とする場合もあるみたいです。それに、ある日突然家に入れなくなったら、例えば極寒の地域では文字通り死活問題になりますので、一日支払いが滞ったからと言って、即日ロックされることはないかもしれません。
ですが、それならば例えば家賃の振り込み期日から日が経つごとに電子制御で1kg,3kg,10kgと段階的にドアを重くして滞納者にプレッシャーを与えるシステムも考えられます。
ある日家のドアを開けようとすると、若干重いような気がした。その日は蝶番の調子がおかしいのかなと思っていたが、翌日にはさらにドアが重くなり「あ、これは……」と大家の真意に気付く……。中々にダークな世界観です。
遠隔でロックできるものは増えていく
家のドア以外にも、お金の支払いがない場合に利用停止にできるものはあります。
例えばパソコンや加湿器などの電子機器が電源が入らないようにできるのは当然として、自転車に電子ロックがかかって外せないようにしたり、腕時計の秒針を停止させたりすることで商品としての機能を果たさなくさせることができます。
自転車なんかは家のドアと同じく、電子制御で段階的にペダルを重くしていくこともできます。
今後技術が進めば、遠隔でペンのインクを出なくしたり洋服の繊維を変化させて着用できなくしたりすることができるようになるかもしれません。まぁペンをローンで購入する人がいるのかは疑問ですが、今後ローンの返済関係がよりシステマチックかつシビアになっていくことは間違いないでしょう。
このような世界は理想なのか
IOTの技術によりこんな世界が来たとして、果たしてそれはより良い未来なのでしょうか。僕個人の意見としては「賛成」派です。
例えば先に例に挙げた家賃の督促に関しては、督促に出向いた大家が逆上した居住者に刺されるという事件が起きています。人と人が折衝することで一時的に感情が高ぶって衝動的に相手に危害を加える可能性があるということです。
反面、先に僕が提案したドアが自動でロックされたり段階的に重くなったりするシステムであれば、人情はないかもしれませんが即座に事件になる可能性は減ります。それでもドアがロックされた事に腹を立てた居住者が大家さんのところまで出向いて危害を加えるという可能性は否定しきれませんが、その場合はもう「衝動的」というレベルを超えた「計画的」犯行なので、人間側の問題です(当然「衝動的」であっても人間側に問題がないということではありません)。
こういった事件とまではいかなくとも、人間が督促をすると督促する側の性格によってあまり強く言えなかったり、そのために強気に出たりする滞納者もいるでしょう。支払うべきお金は相手がどんな性格であろうと支払わなければならないのであり、相手が弱気だからといって踏み倒すということはあってはならないのです。
これが人間ではなく感情のない機械であれば「問答無用」で相手側にプレッシャーがかかり、「支払わざるをえない」という気持ちになると思います。
まとめ
少々ダークな内容の記事を書きましたが、もちろんIOTには良い側面も沢山あります。
例えば僕は先日ニンテンドースイッチの「ARMS」をゲーム屋で購入したのですが、しばらくして任天堂から「ARMS」のスマホ用壁紙プレゼントのリンクやソフトに関する情報が書かれたメールが届きました。これは任天堂がインターネット経由で商品の購入情報を取得・管理していて、購入者に適切なサービスの案内をしているということです。
任天堂からすればただの販促活動の一環かもしれませんが、僕は「ARMS」の壁紙が手に入ったのでうれしかったです。
これはゲームがインターネットにつながったことによる恩恵です。今の10代くらいの若い方にはゲームがネットにつながることなんて当たり前と思うかもしれませんが、そうなったのは結構最近の話です。
他にもIOTにはまだまだたくさんの可能性があります。僕は専門家でも何でもないのですが、今後優れてた技術者の方々がIOTで便利で豊かな世の中を創り出してくれることを願っています。