プロの小説家になるために有効なトレーニングとして、好きな作家の小説を一冊丸まる書き写すというものがあります。
これを行うことによって以下のような効果があるようです。
・文章力が向上する
・プロの作品の構造を体感できる
・小説を一冊書き上げることの大変さを、身をもって知ることができる。
今回僕が行ったのは、ノートに鉛筆で書き写すのではなく、パソコンのワードに打ち込む方法です。どちらも効果はそんなに変わらないのではないかと思いますが、パソコンの方が圧倒的に早く打ち込めるので、スピード面にメリットがあるのではないかと思います。
さて、今回僕が書き写したのは伏見つかさ先生の「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の第1巻です。
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」ってどんな作品?
ご存じの方もかなり多いと思われますが、略称「俺妹(おれいも)」と呼ばれている本作は、電撃文庫より発売され発行部数500万部以上を記録した大ヒットライトノベル作品です。
主人公の高坂京介は、美人でスタイル抜群ながら裏では隠れオタクの高坂桐乃から「人生相談」と称してオタク友達を作る相談を持ち掛けられ、奮闘するという物語です。
シリーズ全12巻が発売されており、僕はもちろん全巻読破しています。
なぜ「俺妹」なのか
単純に僕が一番好きなライトノベルだからです。
往年の名作を書き写した方が勉強になるんじゃないの? という声も聞こえてきそうですが、僕としてはよりエンタメ寄りの語り口軽妙な作品を書きたいと考えているため、本作を選びました。
1日目の結果は
さて、もちろん今日思いついて書き写しを始めたため、まだ一冊分すべて書き写せたわけではありません。本日は1時間と時間を区切って、以下の結果となりました。
【書き写した文字数】
・4,997文字
【場面展開】
・高坂京介の独白で物語が始まる。自分には容姿端麗、スタイル抜群な妹(高坂桐乃)がいるが、兄妹中は冷めきっていることが説明される。
・遊びに行くため家を出ようとしていた桐乃と京介が玄関先でぶつかり、妹の荷物が散乱してしまう。拾うのを手伝おうとした京介だったが、妹に「触るな」と冷たく手を払われる。
・妹が家を出た後、京介は玄関の靴箱の下にDVDのケースがあることを発見。それを手に取ると、パッケージにはアニメ調の絵で幼い女の子が描かれていた。
・誰のものかと思案する京介。当然自分のものではない。
・訝しみながら玄関先でそのDVDケースを眺めていたところ、突然帰宅する母親。危うく誤解を受けそうになりながらも、何とかDVDケースを隠し通して自室に引っ込む京介。
【気付いたこと】
・伏見先生は僕よりも読点を多用する文章を書く。
【単語登録した単語】
・「だ」⇒「――」
・「て」⇒「……」
・「ほ」⇒「星くず☆うぃっちメルル」
雑感
実は以前に「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」(通称俺ガイル)という作品の書き写しをしたことがあります。あの作品は主人公がひねくれにひねくれているので、独白がくどくてストーリーの進みが遅く、あまり好きになれませんでした。
「俺妹」も京介の一人称で物語が進んでいくタイプの作品ですが、こちらは序盤のターニングポイント(京介がアニメ絵のDVDを発見する)までの文字数がおよそ3,000文字なのでより展開が早いのだなと思いました。
あと、作家志望の方なら多くの方がしていることだと思いますが、固有名詞はさっさと単語登録しておくべきだなと思いました。「星くず☆うぃっちメルル」なんていちいちタイプしていたらめんどくさすぎる。三点リーダと、ダッシュも単語登録しました。
あと余談ですが、書き写しの際には文庫本ではなく電子書籍リーダーのキンドルを使いました。本だと開いたままにするのに工夫が必要だし、何より傷んでしまいます。
part②へ続く
さて、書き写しは次回に続きます。
次回も最低1時間は書き写しを行って結果と感想をここに記したいと思います。
※2016/06/18追記
part②の記事を書きました!