学生時代から小説家を書いていましたが、いつも聞かされてきたのが「作家は専業じゃあ食えない。だから小説家になってもサラリーマンを辞めずに副業として小説を書け」という言葉でした。
ですがそこで考えたのが、何もサラリーマンじゃなくても「専業作家」×「別の収入」の道はあるのではないかと思いました。
そこで真っ先に頭に思い浮かんだのが「アフィリエイター」です。
アフィリエイターってなに?
ご存じの方も多いと思いますが一応説明しておくと、「アフィリエイター」とは自分の運営しているブログやホームページに広告を張って、広告収入を得ている人のことです。
書店に行けばアフィリエイター関連の書籍は山ほどあり、実際にアフィリエイト関連の書籍の売り上げは良いのだとか。
サラリーマンの副業として最もポピュラーなのが「アフィリエイター」かもしれません。
なぜ「専業作家」×「アフィリエイター」なのか
「専業作家」と「アフィリエイター」はシナジー効果が高いと思います。
小説家になるような人は文章を書くことが大好きでしょうから、小説執筆で培った技術をブログ執筆やホームページ運営に存分に生かせると思います。
もう一つ、小説家としてある程度の知名度があればその知名度を生かしてブログやホームページのアクセス数を増やすことができ、それが広告収入の増加につながります。
もし一般企業で働いていたら、小説の関連業界でない限り小説家としての知名度が役に立つことはほぼないでしょう(社内で少し有名人になれるかもしれませんが)。
例えば、累計発行部数500万部突破の大人気ライトノベル「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」の作者である渡航(わたり わたる)さん。彼が務めているのはオンラインゲーム・ゲームソフトの企画・開発・販売を事業としている「株式会社マーベラス」という会社で、この業界であれば彼の創作スキルが生かされているかもしれません。
いくら稼ぐ必要があるか
サラリーマンの平均年収を400万円として、この金額を小説の印税とアフィリエイターとしての広告収入で稼ぐとします。
あくまで専業作家を本業と考えたいので、収入の案分は以下となります。
- 小説の印税:年収300万円
- アフィリエイター:年収100万円
必要な発行部数は
小説の印税は売り上げではなく発行部数で決まります(よく小説の帯に書いてある100万部突破! という文字は、100万部売れたという意味ではなく100万部刷ったという意味です)。
印税率10%として、ハードカバーの1,500円の小説を2万部発行すれば300万円の印税になります。年に3冊発行した場合は、1冊7,000部弱になります。数年後に文庫本になった場合はもう少し収入増です(もっとも、ある程度の人気がなければ文庫本にはなりませんが)。
ライトノベルで考えてみると、電撃文庫のラノベが1冊680円です。印税が8%として(ラノベの印税は6%だったり10%だったりと人によって変動があるようですが、ここでは間をとって8%とします)1冊の印税がおよそ54円。300万円の印税を得るにはおよそ6万部の発行部数が必要です。1年に4冊本を出すとして1冊1万5千部になります。
1冊1,500円のハードカバーを7,000部か、680円のラノベを1万5千部か、個人的にはラノベを1万5千部の方がハードルが低く見えますが、作家になったことがないのでなんとも言えません。
アフィリエイトで100万円稼ぐ場合
こちらは小説の印税と違って、かかる労力の計算が難しいです。
というのも、小説の場合は印税率×発行部数という算出方程式がありますが、アフィリエイトの場合は例えば年間100万円稼ぐのに必要なPV数といっても不変の方程式がありません。
同じPVでも使うASPによって収益はかなり違ってきますし、さらに同じPVで同じASPを使っていたとしても、記事の内容によってクリック率はかなり違ってくるでしょう。
僕はこのブログ以外でアフィリエイトを3年間ぐらい行っていましたが収益は合計で3万5千円くらいです。恐らくアフィリエイターとしては最底辺クラスだと思われます。
結局のところ、アフィリエイターに必要なのは「忍耐力」だと思います。1日1本365日ブログの記事を投稿し続けることができれば、月収10万円はいずれ必ず到達します。
1記事1,000文字を365日書き続けると、年間で36万5千文字を書くことになります。ラノベ1冊の文章量が10万文字前後だと言われていますので4冊分に届かないくらいです。ですが、1冊の本を上梓するまでに小説家は何度も改稿を繰り返すので、最終的に発行される小説の文字数の2~3倍の文字は書いているはずです。これだけの文字を書き続ける根性のある人であれば、ブログを年間36万5千文字書き続けることは難しくはないでしょう。
まとめ
小説家を目指す人は多いものの、そのほとんどは一度も小説を書いたことがないといいます。アフィリエイターにあこがれる人は多いものの、その70%以上が月収1,000円以下だといいます。
いずれの道も簡単ではなさそうですが、どちらもとても魅力ある職業に思えます。文章を書くことはとても楽しく、それでご飯が食べられたらこれに勝る喜びはありません。