いきなり恥をさらしますが、僕はとてつもなく勉強が苦手です。ですが、英語だけがなぜか異様に得意だっため一点突破でそれなりの大学に入ってしまい、そのまま英語を突き詰めてそれなりの企業に入社してしまいました。
周りの人間のようにしっかり勉強をしてバランスよく知識を身に着けてきた人間に囲まれ、日々肩身が狭い思いをしております。
一番困った、というか今も困っているのが昇進試験です。
僕の会社では毎年昇進するためのペーパー試験があるのですが、恥ずかしながら3回連続で落ちています。周りの同期は順調に昇進していて、若手社会人の3大悲劇の一つである「同期が上司になる」が現実化しつつある恐怖に打ち震えています。
これから僕が語るのは、そんな悲劇を何としても回避しようと、「レンタルオフィス」を借りて試験勉強をした時の体験談です。
レンタルオフィスってなに?
レンタルオフィスとは、簡単に説明すると、起業に向けて作業をしている人や、個人的な打ち合わせ等の使用目的で借りることのできる個室スペースの提供サービスのことです。
一般的に、毎月いくらかの料金を払うことで、個室を自分専用のスペースとして占有できます。契約形態は様々で、月ごとではなく時間貸しでのサービスを提供している会社さんもあります。
なぜレンタルオフィスを借りることにしたのか
簡単です。家では誘惑が多すぎて勉強できないからです。
だったら図書館やカフェで勉強すれば? と言われそうですが、カフェで勉強するのは気が引けますし、図書館の自習スペースって、大抵埋まっています(少なくとも僕の地域では)。
また、大金を払って個室を借りることで集中力を上げ、勉強の効率を最大化しようという背水の陣的なたくらみもありました。
電話で連絡し、下見をすることに
レンタルオフィスという存在は知っていたものの、その実態は何も知らなかった僕は、まずは下見に行くことにしました。自宅から近いレンタルオフィスを調べ、HPから電話番号を調べて電話をかけ下見がしたい旨を告げると、なんとすぐに下見ができるとのこと。電話をかけた時間は、日曜日の夕方5時ごろでした。
下見からあっという間に契約へ
オフィスまで出向くと、30歳くらいだと思われる爽やかなお兄さんが出迎えてくれました。さっそく個室スペースの下見へ。ビルの1フロアに部屋数がおよそ20~30ほどありました。部屋の大きさも、完全に机と椅子と人間一人しか入れないようなものから、3~4人のメンバーがパソコンを持ち寄ってゲーム制作ができそうな部屋まで様々でした。
部屋の見学が終わると、いよいよ契約の話になります。もしその気がなければ、ここでさよならなのでしょうが、僕は借りる気まんまんでした。
部屋の利用目的を問われて素直に社内昇進試験のためと答えると、相手は面食らったようで、「もしそのためだけならば、カフェで勉強した方がコストが抑えられるかもしれれません……」と言われました。やはり勉強のためだけにわざわざ大枚をはたいてレンタルオフィスを契約するというのは、相当に珍しいことのようです。
無理に契約を進めないところも好感が持てました。
お金の話
うろ覚えですが、僕が契約した時の金額は大体以下でした。
・保障金110,000円(これは後で戻ってくる)
・部屋のレンタル料金月額54,000円
・退去後のクリーニング代13,000円
・共益費月額5,000円
本当にざっくりですが、こんな感じです。
僕はおよそ2ヵ月間部屋を借りたので、補償金を含めると期間合計で大体25万円くらいでしょうか。補償金を差し引くと14万円くらいですね。
レンタル開始
さて、契約が終了するとセキュリティカードと部屋のキーが渡されます。これを使ってオフィスに出入りする訳です。もちろん24時間出入り可能です。余談ですが、24時間出入り可能ということは寝泊りもできるんですね? と質問したところ、作業に夢中になって夜を明かしてしまうこともありますよね、というニュアンスでした。レンタルオフィスは宿泊業ではないので、「寝泊りできる」という言葉の使い方には問題があるようです。宿泊業を営むには、法律上の許可が必要です。
レンタルオフィスで出来ること
あくまで僕が借りたレンタルオフィスの場合です
・24時間出入りOK
・飲食OK
・着替えOK
・インターネット回線の利用(契約オプション)
・お菓子と飲み物完備
・オフィス用品が使用可能(お金がかかるものもあり)
・コンセント使用可能
逆に、誰かを連れ込んだりする行為はご法度とのこと。
ようは公序良俗に反することをしなければ良い訳です。このあたりは契約書に規則が書いてありますので、レンタルオフィスを契約する際は熟読してください。
また、部屋は24時間出入りOKですが、鍵の管理は自己責任です。鍵を閉め忘れた場合、他の利用者に侵入される可能性があります(まぁこのあたりは自宅の戸締りと同じですね)。
僕の利用サイクル
僕のレンタルオフィスの利用時間は以下でした。
・平日の退勤後の18時~22時
・土日祝の10時~18時
つまるところ、会社が終わってから寝るまでと、土日祝の朝から夕方までの利用でした。「いや、土日祝はもう少しいろよ!」と言われそうですが、僕にとって8時間勉強するだけでも限界でした(なんせ受験生時代でも3時間ぐらいしか勉強しなかった)。
さて、これをご覧になってお気づきでしょうが、あまりにももったいなさすぎる使い方です。
24時間レンタルを生かしていない
24時間部屋を借りているにも関わらず、平日わずか4時間、土日祝も8時間しか利用していません。これを一週間で換算すると、36/168時間しか利用していない訳です。月額5万円以上を払って得た権利の20%ほどしか利用していません。
そうです、普段働いている社会人が、レンタルスペースを24時間借りるなんて馬鹿のすることなのです。しかもその目的が、ただ勉強するだけというのは、エベレスト級の馬鹿です。落ち着いて考えなくてもわかるようなことなのに、当時の僕は、レンタルオフィスを借りるというシャレオツな行為そのものにどこか酔っていたのかもしれません。大金を払って自分を追い込んで勉強するつもりが、大金を払ったこと自体に満足して勉強がおろそかになっていました。
平日も24時くらいまでは勉強するべきだったでしょうし、土日祝も早朝から深夜まで勉強すればまだマシだったかもしれません。
まとめ
総じて、「社内昇進試験のためにレンタルオフィスを借りて勉強する」という僕の試みは大失敗でした。誤解のないように書いておきますが、レンタルオフィスのサービスそのものには大変満足しています。
自分が利用した時間だけスポットでお金を払うプランなどもあるようなので、もしレンタルオフィスを借りようかと考えている社会人の方がいましたら、投資効率が最大になるようにプランを検討してください。
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……え? 昇進試験の結果はどうだったのかって?
落ちましたよ? 何か?